先週末の金曜日、横浜市の阿部副市長を訪問しました。
阿部副市長は、横浜市の環境モデル都市の頭。元総務省、自治省出身の方で、自治体連合のまとめ役で、地方分権を推進している方らしい。
午後1時〜3時と2時間も面談予定が組まれていて、偉い人との面談って大概30分とか慌ただしく、いつも猛ダッシュで喋って話半分という感じだから、この予定は異例で、出かける道すがら「うちの秘書、何か間違っているんじゃないか...」と疑っていったのだけど、終わってみたら3時で、本当に2時間。長話をしました。
途中、お忙しいようで中座もされたのだけど、このくらい時間をとってもらうと色々と話ができて充実します。
目的は、来年度のエコフロー事業をぜひ横浜市でもと事業の詳細を説明にいったのだけど、ついつい、目下の懸案事項、今、進めている自治体用の温暖化対策の実行計画マニュアルづくりの検討会での私の見解を話題にしてしまいました。
横浜市の環境モデル都市のアドバイザーになって、色々、問題が見えてきて、個々の自治体の現状の二酸化炭素の発生データを数字としてどこも把握できていないとか、目標計画を立てるのに、現状も推計値で、削減後も推計値で、本当に減らしたのか、実は良くわからない状態であるとか、そのため、削減するインセンティブを得にくいとか、市民に削減協力を訴えにくいとか、そんな基本的なことが出来ていないんだと呆れる実態であることを知ったのでした。
このアドバイザーは、マニュアルづくり検討会に大変役立つ結果となり、エコフロー事業でも地方行政の実態をかいま見る機会となってはいましたが、横浜市のアドバイザーは環境行政の奮闘ぶりを内側から見る機会をいただいたみたいで、良い経験となっています。
こういう経験すると思うのは、地方行政の実態と国政の乖離を感じることです。
地方自治体が、地方分権と叫びたくなるのは、地方行政は国政に振り回されて余計な神経、余計なエネルギーを使わされていて、利口な自治体はもっと信用してもらって、もっと自由に金も時間も人も使いたいのが実感だろうとつくづく思います。
阿部副市長も、この国は本当の民主主義じゃない。とぼやくように、何か不思議な仕組みで政が行われているということには共感します。
まあ、だからといって、単純に地方分権を強行するのも、自治体の収入の格差もあるし、人材や知恵の格差もあって、今まで何も考えてこなかった人達までに急に自立して考えろといっても、無理な話ではあります。少しづつウォーミングアップしていくのに、実は温暖化対策は良いツールなのではないかと思っているのです。
副市長にもウケたのですが、私はこのところ自治体間CDMを先ず行うべきだと主張してます。自治体に自ら話し合ってキャップを決めてもらって、森林吸収源と二酸化炭素発生量を相殺して、目標達成しなかったところが国に炭素税を納税し、海外からのカーボンオフセットのためのCDM取引をしてもらうという構図が一番順当ではないかと思っているのです。ですから、それには国が直接炭素税を取らず、それぞれの自治体が地元の状況に合わせて炭素税をつくることが出来るようにして、それぞれで、料率も使途目的も決めることが出来て、炭素税をかけないという選択もできるようにして、地域性に即した取り方、対策への使い方を自分たちで決めれるようにするのです。
それでもオーバーした分については、自治体が炭素税で取った部分の一部を国に納税するという流れで行っていけば、地方行政にも知恵がついてくるのではないかと思っているのです。
今、環境省は炭素税を実現させたくて躍起になっていますが、相変わらず、経団連の強面方々に抵抗され、このまま、実現できてもあまり効果のない骨抜き状態になって、意味がないのではないかと思っていますし、国が徴収するとなると、結局、地方へ配る際の利権が生じるわけだし、国に陳情して、モデル事業とか交付金だとか、何とかお金をゲットしたところは良いけど、そういうのが得意でないところは、炭素税が始まっても対策費の恩恵は受けない状況になるのではないかと思われます。何よりも、今みたいに陳情に人を割き、補助金や交付金の情報に耳を峙て、そこへ注ぐエネルギーがあったら実を取る活動の方へエネルギーを注いで、少しでも対策を進めることが人材を有効に使う意味でも効率的ではないかと思います。
故に、炭素税は地方の徴収する税金とすべきと思っているのです。
それと、二酸化炭素のカウントですが、私は納税地で行うべきだと思ています。そうなると工場は地方にあっても、本店が東京で納税地が東京なら二酸化炭素のカウントは東京になる。これは自治体にとって正当なカウント方式だと思います。納税を受けているからこそ、その納税事業者の事業に関わる二酸化炭素の発生に自治体も責任を取らなければならないというロジックは納得いくと思います。
先ず、納税地で二酸化炭素を振り分け、森林の吸収源も納税地につけます。全体を目標値の振り分けでキャップをかけ、自治体間でCDM取引をおこなう。二酸化炭素の利害関係で道州制を組むのもありだと思います。こうすれば、緑豊かな自治体はそれを保全することで、都市と連携や道州制を組み、カーボンオフセットしてあげる。これで、過疎地は自然環境を資産に都市から福祉など行う金銭を得ることになるやも知れない。それは、自治体にとって大変プライドを持てる自立。本当の地方の分権化となるのではないでしょうか。
そんな話に、副市長と盛り上がり、出来れば自治体で意識をまとめ、仕組みを考案して自治体から国にこうして欲しいと提案することが、民主主義らしい。ぜひとも頑張って地方から発信していただきたいとお願いしてきました。
CDMがうまくいくのは、キャップをちゃんとかけられて成り立つものですから、産業セクター別のキャップのかけ方は、企業の利害が対立しすぎて、うまく定めることは今の日本では出来ないのではないかと思います。それなら、自治体という行政間でキャップをかけることにすれば、自治体チャップが必ずしも炭素税となるわけではないので、産業はそれに関して口を挟むことはできませんでしょ。自治体の枠が決まったら、地元企業として、それぞれは隣人として顔の見える関係だから、勝手なことはいえないし、企業によっては積極的に地元の森林保全に投資してくれるかも知れない。地元ならと炭素税を納税してくれるかも知れない。
私は炭素税はずっと賛成なのだけど、それはヨーロッパにような大胆な発想でしっかり周辺の仕組みまで作り上げて、効果がある場合であって、日本の提案のような骨抜きで生温い損益分岐点を下回る炭素税を実現してみたって、そんなの環境省の役人がトラウマ解消のために仕事した気になっているだけのことで、地球にとっては実がない。今のまま、国と経団連、セクター別なんて、個々の顔の見えない関係で言い争ってみたって、先に進まない。そろそろ作戦変更した方が良いのではと私は思います。